こんにちは。森です。
2014年8月22日、23日の2日間の日程で、愛知県岡崎市の岡崎市竜美丘会館にて「第3回 全国まちゼミサミット」(主催:岡崎まちゼミの会、岡崎商工会議所、株式会社全国商店街支援センター)が開催され、参加してきました。
サミットには北海道から九州までの全国58地域から500名を超える人たちが「まちゼミ」発祥の地・岡崎に集まりました。
初日は会館にて分科会やフォーラムが行われ、2日目は実際にまちゼミを開催している岡崎市中心市街地の参加店を巡りお話を伺いました。
「まちゼミ」とは
商店街の店主が講師となり、プロの知識や経験を地域のお客様に伝える「得する街のゼミナール”まちゼミ”」のことである。2003年に岡崎市の中心市街地であるではじまり、今や全国150箇所で開催されています。
1日目の開催プログラム
開始時間 | アジェンダ |
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13:00 |
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14:00 | 分科会1.お客様満足&リピーターづくりに向けた研究会
2.健康&美容系ゼミの研究会
3.食べる系ゼミの研究会
4.学ぶ系ゼミの研究会
5.まちゼミと合わせ技で効果的な取り組みの研究会
6.まちゼミの真髄を理解するための研究会(講演会:新規&1年未満)
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15:40 | まちづくりフォーラム テーマ:“これからのまちづくりを考える”~商店街活性化ののツボ~
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17:30 | 大懇親会 |
まちゼミサミットの概要
オープニング
主催者である株式会社全国商店街支援センター桑島取締役社長、岡崎市商工会議所の古澤会頭、来賓の経済産業省中小企業庁商業課の多田課長、岡崎市の内田市長より、それぞれご挨拶があり、サミットが開始です。
[主催者代表・全国商店街支援センター桑島取締役社長による挨拶]
わが街ではこんなまちゼミやっています。(参加団体発表)
[特色あるまちゼミを行う団体の発表]
ここでは岡崎まちゼミの会代表の松井氏が岡崎市で盛んなジャズの音楽に合わせ、全国で取り組まれているまちゼミの会の人たちを全員紹介しました。顔ぶれを見ていると北は北海道、南は九州から参加しており、まちゼミの人気が伺えます。
また、数名の特色あるまちゼミを壇上で紹介したのですが、その中で、私は「松阪まちゼミの会」が気になりました。ここは代表が31歳と若く、まちゼミをスタートしたときは28歳という若さだったらしい。お話の中で代表は「東京から実家を継ぐために戻ってきたが、商店街は衰退する一方。まちでのイベントもその場限りのものが多く、商店にはお金が落ちないことに疑問を感じていた。いろんなセミナーや勉強家に参加しているときに出会ったのがまちゼミで、持ち帰って相談したところ同世代の仲間が興味を持ってくれて、一緒に立ち上げた。」と話していました。
別の地域では自治体や公的団体が「まちゼミ」をやろうと商店主に声をかけるが、実施者がなかなか集まらないということもあるらしいのですが、松阪の場合は理想な形だと思います。
分科会 -まちゼミと合わせ技で効果的な取り組みの研究会-
分科会は6つの班に分かれており、私は「まちゼミと合わせ技で効果的な取り組みの研究会」という題目に参加しました。
「まちゼミ」をスタートして最初の2年は全然顧客に結びつかなかったという天野さん。とある日、松井代表に相談したところ「天野くんはまちゼミが終わった後のフォローはしているの?やりっぱなしじゃ効果は薄いよ。」と言われ、まちゼミの時だけでなく、普段からお客さんとのコミュニケーションを大事にするようになり、それが売り上げにも結びついたとお話されました。
[あいち補聴器センター様の事例]
またアドバイザーの渡辺氏(専修大学教授)からはまちゼミと他分野のコラボレーションについてお話がありました。専修大学では大学の調査で商店街に入っており、商店街と一緒に調査や情報発信を行っているそうです。忙しい商店街の方達は他の団体と協同で活性化を行う事で負担を減らし、より効果的に事業を行う事ができる可能性があると感じました。
まちづくりフォーラム
フォーラムでは石原武政氏(流通科学大学商学部・特別教授)をコーディネーターに、桑島俊彦((株)全国商店街支援センター・代表取締役社長)/村上有紀子氏(NPO法人いたみタウンセンター・理事長)/阿部眞一氏(岩村田本町商店街振興組合・理事長)/松井 洋一郎(岡崎まちゼミの会・代表)らで「“これからのまちづくりを考える”~商店街活性化ののツボ~」というテーマで熱い議論が行われました。
フォーラムでは「コミュニティでは儲からない。商店街、個店の利益で上げるしかない。儲からないコミュニティーと儲かるまんじゅうをセットにして売る。」「地域の資源、資産歴史を活用する。地域の土台に商店街がある、暮らしをしている人達がいるから商店街があるんだ!ということを認識するべきである。地域の理念にやってはいいこと、やってはいけない事をつくる。そのためにビジョンを作る、ビジョンをつくる組織があるのか?ということを考えてほしい。」 「商店街はこれから追い風である。」「高齢化社会の中で、歩いて楽しむまちづくり。ショッピングセンターとどう済分けするか?ワカモノとの連携、ネットワークをどう組むかが大事だ。」「商店街のマーケットを把握する。」などの話がありました。商店街の最前線で活躍する皆さんの話は本質をついており説得力があります。
大懇親会
最後にホールにて大懇親会が行われ、全国から集まった方たちと交流が行われました。
その中には以前、地方に出張した際にお世話になった方やずっとお話してみたかった方などの姿も。
全国各地でまちづくりに取り組む方達と一つの地域でお会いしお話できるのは嬉しいですね。色んな方のお話を聞く事で「この地域でも同じ課題があるのか。こんな対策をしているのか。」と明日への活力になりますね。
[全国各地のまちゼミを実施している方々が壇上で楽しく自己紹介]
参加して感じたこと
まちゼミ参加者の熱気をひしひしと感じました!
また、参加者の職業や属性が多様でした。私はまちづくりの会議や学会、フォーラムにときどき参加するのですが、まちづくり関係の会は専門家や行政関係の方でわりかし年配の人が多いのですが、今回は女性や若い商店主の参加が目立ちました。
ある女性の参加者にお話を聞いたのですが、「まちゼミは頑張った分、自分のお店に返ってくる。結果的にまちの魅力に繋がる。これ迄の商店街のイベントはそのときだけで、お店にはほとんどメリットがなかった。」とお話してくれました。
やる気がある人が損をせず自分に返ってくる。商店街活性化の取り組みはすぐには効果が出ず分かりづらいですが、まちゼミは自身のお店に返ってくる。その事がまちゼミがここ迄盛り上がった理由だと思います。
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後編では2日目に行われた「まちゼミツアー」をレポートします。